りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

プレイ(マイケル・クライトン)

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ご存知、「ジュラシックパーク」の作者、マイケル・クライトンの最新作です。ここで暴走するのは、バイオテクノロジーで再生された恐竜ではなく、ナノテクマシン。

「ナノテクはバイオと結びつく」という「科学的仮説(予言)」をもとに、分子レベルを組み合わせて作られるナノテクマシンを次々と製造するのは、なんと大腸菌。ひとつひとつのナノテクマシンは、極めてわずか「昆虫の本能程度」のメモリーを持ち、それが集団として動くときに「ある意志」を現すという設定は、ちょっと微妙。琥珀に封じ込められた「蚊」の吸った血液から恐竜の遺伝子を再生させる方が説得力あったかな。

でも「意志を持ったナノテクマシン」が、人体に大腸菌を持ちこんで、人間を「製造工場」にしてしまうというのは、かなり怖いですね。でも「科学的仕掛け」を除けば、はっきり言って駄作です。巨大な恐竜と、目にも見えないナノテクマシンじゃ、ビジュアル的にも比べものにならないのは別にしても。

一番の驚きは、著者が「AI」をあきらめていたこと。アトムに代表される人間型の知性は、実現不可能だと言い切ってました。オスメント君の「AI」は可愛かったのにな。^^

2004/7