りぼんの読書ノート

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水中少女(堀川アサコ)

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竜宮電車の続編にあたる本書では、前巻のラストに登場した神様が大活躍。流行らない神社に祀られており、霊験も薄く、自分の食い扶持を稼ぐために人間に交じってバイトをしている、あの神様です。

人間には入れない神社本殿に侵入し、見えないはずの神を見ることができるイケメンの青年が現れて、高額なお布施で「心の闇」を取り去って欲しいと訪ねてきます。その青年は結婚詐欺を繰り返す外道なのですが、実は繁盛している新興宗教の跡継ぎだったのです。その新興宗教が隠していた暗い秘密を知った神でしたが、常人を越える霊力を有する者が絡む後継者争いに巻き込まれてしまいます。

霊験あらたかな竜宮電車とは、その新興宗教に属していたものだったのですね。前巻で竜宮電車に乗車した際の霊験は「心がけ」程度のものでしたが、今回は神を過去に連れて行ってしまうのですから、相当のパワーアップ。もっとも、依頼主の青年が幸福を得られるかどうかは、今後の心がけ次第なのでしょう。

他に短編の「神さまと藁人形」が併録されています。こちらの話は、丑の刻参りで有名な隣町の人気神社の神様から、呪いを解くアルバイトを頼まれるというもの。なぜ妹は姉を呪ったのでしょうか。しかし、神様のバイト料が自給800円というのは安い!

2018/9