りぼんの読書ノート

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イレーナ、失われた力(マリア・V・スナイダー)

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イクシア国の最高司令官の毒見役となって死刑を免れた日から8年。今では唯一の「ソウル・ファインダー」として、敵対するイクシアとシティアの両国の間を繋ぐ連絡管を努めるイレーナに、新たな試練が襲い掛かります。何者かに毒矢で射られたことをきっかけに、いっさいの能力が消え去ってしまったのです。そんなとき彼女に深い恨みを抱く魔術師が脱獄したとの知らせが入り、事態は急を告げてきます。

一方で、イレーナの恋人でイクシアの防衛長官を務めるヴァレクも、最高司令官アンブローズとの堅い絆が揺らぎ始めているようです。やはり、敵対する両国家を結び付けようとする試みには、無理があったのでしょうか。ヴァレクが暗殺者となった背景や、アンブローズと知り合って革命を起こした過去のエピソードからは、2人の関係は揺るがないものと思われていたのですが・・。

両国の指導者の思惑、邪悪な魔術師の存在、シティアにおける反魔術感情の高まりという変化の中で、それぞれに力を失いつつある2人は、どのような生き方を選択すべきなのでしょう。新シリーズが始まったところですが、ラストの一行が衝撃的です。イレーナが魔力を失った原因は、どうやら別の身体的な事情によるものなのかもしれません。

2018/7


【毒見師イレーナ シリーズ】
毒見師イレーナ
イレーナの帰還
最果てのイレーナ