りぼんの読書ノート

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GOSICK 4 愚者を代弁せよ(桜庭一樹)

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第一次大戦後のヨーロッパの架空の小国ソヴュールを舞台にして、ホームズ役のゴスロリ少女・ヴィクトリカと、ワトソン役の東洋からの留学生・久城一弥が活躍する「ゴシック・ミステリ」の第4作です。今回は、ヴィクトリカが過去の錬金術リヴァイアサンと対決。

19世紀末に実際の金を生み出して、王国の政治にも介入していた錬金術リヴァイアサンの存在は、ソヴュールの黒歴史。仮面の下の素顔を見た者はなく、死体も発見されておらず、錬金術の秘密を探ろうとした者は次々と怪死を遂げるという伝説が残されているのです。未来の読者に挑戦した回顧録を見つけたヴィクトリカは、彼の正体に迫るのですが・・。

なかなか深い物語でした。1867年にボツワナでアフリカのゴールドラッシュが起きていたことは、全く盲点でした。南アフリカが金の一大産地であることは有名ですが、「ゴールドラッシュ」という言葉と結びついていなかったのです。

一弥に好意を抱いているイギリス人美少女のアブリル・ブラッドリーの、ヴィクトリカとのファースト・コンタクトは最悪でしたね。また、前作でもこの作品でも、ヴィクトリカの実母である「灰色狼」コルデリア・ギャロと、謎の奇術師ブライアン・ロスコーがチラッと登場。この後の展開も楽しみです。

2017/2