りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

デリリウム17(ローレン・オリヴァー)

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オバマ大統領が娘に贈った小説として、話題になった作品です。タイトルの「デリリウム」とは「神経症」のこと。この時代、国境を壁で閉鎖したアメリカでは「愛」は「病」と認定されており、既に脳手術による治療法も確立しています。愛こそが争いや暴力の原因であり、愛がない世界こそが安全だというのです。

誰もがいっせいに手術を受ける18歳の誕生日まで、17歳の少女レナに残された時間は、あと95日。政府や祖父母の言うことを信じて育ち、愛の病を完治できずに自殺した母を持つレナは、その日を心待ちにしていたのです。アレックスという少年と出会うまでは・・。

アレックスは実は、治療を拒否して、国境の外に広がる荒野(ワイルド)に暮らす不法民でした。彼らは閉鎖された都市を解放するために、秘密のルートで越境を繰り返していたのです。レナを愛するようになったアレックスでしたが、彼女を危険な目に合わせることには逡巡していました。しかし、レナの母親が荒野で生きているかもしれないという情報が、2人の決断を促します。はたして彼らの運命は?

本書は色んなことに決着がつかない感じで、もやもやしていたのですが、実は「3部作」だったのですね。ただ、続編は読まなくてもいいかな。「SF系ラノベ」が嫌いなわけではありませんが、本書を読んでいて、あまり盛り上がりませんでしたので。

2016/5