りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

Twelve Y.O.(福井晴敏)

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タイトルの「Twelve Y.O.」とは、「12 years old」のこと。戦後マッカーサーに「日本人の精神年齢は12歳」と言われたという言葉からきています。

本書は、かつて自衛隊内部の非公開情報機関「DAIS」に所属していたという男が、たったひとりでアメリカに闘いを挑む物語。「トゥエルブ」と名乗るテロリストは、最強のコンピュータウィルスアポトーシス2」と謎の必殺兵器「ウルマ」を使って米国防総省を脅迫し、沖縄から海兵隊を撤退に追い込むのですが・・。

もちろん日本政府にとっても「トゥエルブ」は許せるものではありません。「DAIS」は総力をあげて彼を負うのですが、「BB文書」なる存在が追跡を阻みます。一方、鬱屈した日々を送る元ヘリコプターパイロットの自衛官・平貫太郎は、かつて「トゥエルブ」と関係があったせいで、巨大な陰謀に巻き込まれてしまいます。

文章的にも、内容的にも、思想的にも読みにくい作品でした。後の『亡国のイージス』や『終戦のローレライ』になってくると、思想は変わらないながら、だいぶ読みやすくなるんですけれどね。本書は乱歩賞受賞のデビュー作ですので、仕方のないところなのでしょう。

2016/4