りぼんの読書ノート

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「裏国境」突破東南アジア一周大作戦(下川裕治)

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タイから、カンボジアベトナムを経て、ラオスミャンマーへ。空路で主要都市に入る分には、あるいはメジャーな観光地に近い国境から入る分にも、なんの問題もありません。しかし、普段は外国人が通ることもない、地名も知られていないマイナーな国境も、問題なく通過できるのでしょうか。「国境好き」を自負する著者が、「裏国境」をひたすら越える旅に出た顛末記です。

「第1章:洪水のタイからアンコールワットへ」
タイのスリンとか、カンボジアのチョンチョムと聞いてもわかりませんよね。かなり北方です。ビザオフィスでのぼったくり手数料や、洪水の中で酒盛りをするほど自然と共生している地元民の姿が印象的です。

「第2章:メコンデルタ下り」
メコン川を船で下ってベトナム入りする際の国境は、どこにあったのでしょう。国境通過の話よりも、地元カンボジア人のアンコールワット遺跡への思いを伝えた個所が、印象に残りました。

「第3章:南から北へ、ベトナム縦断」
著者がベトナム縦断に用いた寝台バスは辛そうです。かつては普通の移動手段だった長距離バスが、貧民の乗り物化しつつあるという感想は、たぶん正しいのでしょう。旅の途中で、有名なコーヒー名産地に立ち寄り、濃くて美味しいコーヒーを堪能する話には、羨ましさも・・。

「第4章:雨降り止まぬラオス山中」
ベトナムディエンビエンフーから、ラオスのムアンクアへ。その後の、ラオス国内の雨中の船旅は過酷でした。奥地における中国の経済進出の話も、興味深いものがあります。

「第5章:最後の難所、ミャンマー
クライマックスは、やはり軍事政権下のミャンマーでした。 いったんタイに入って、タイのメーサイからミャンマーのタチレクに入れたものの、国境からほど近いチャイントンから先には進めないとのこと。少数民族地域の出入りは。国境より厳しい? 再びタイに戻って別ルートで入り直したものの、今度はバスの横転事故に巻き込まれて負傷。

他人のトラブル体験を読む分には楽しいのですが、自分の場合はスムーズに進んで欲しいものです。

2016/2