りぼんの読書ノート

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三谷幸喜のありふれた生活12 とび(三谷幸喜)

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このエッセイ、2000年から朝日新聞に週1回連載されているといいますから、かなりの長寿です。2012年後半から2013年前半の連載を収録した第12巻では、愛犬「とび」との悲しい別れが綴られています。前妻の小林聡美さんがネコたちを連れて出て行った後、「とび」と2人暮らしだったのですから、その悲しみはなおさらでしょう。

しかし、この巻のテーマは「再生」だったのです。新しい犬たちを飼い始めたとの報告があったと思ったら、巻末エッセイではなんと再婚報告。さらには父親になることも告げられていいたのです。

もちろんこの年も多忙でした。浄瑠璃脚本「其礼成心中」への挑戦。渡辺謙の12年ぶりの舞台出演作となった「ホロヴィッツとの対話」。大先輩の野田秀樹さんを主演に迎えての舞台「おのれナポレオン」。講演中に天海祐希心筋梗塞で降板し、宮沢りえが急遽代役に立ったことは、当時大きなニュースになりました。著者が初対面の大女優の前でドキドキする様子などは、かなりリアルです。

後半は、映画「清州会議」の撮影風景。秀吉を演じた大泉洋の「間違いない」演技ぶりや、勝家を演じた役所広司の見事な「間」なども紹介されています。

2015/12