りぼんの読書ノート

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消えた少女(五十嵐貴久)

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「吉祥寺探偵物語」というシリーズの第1作だそうです。素人探偵の1人称で綴られる「ハードボイルド風」のミステリ。

妻に去られ、会社も辞めて、コンビニでバイトをしながら小学生の息子を育て、夜な夜なゲイバーに繰り出す生活を起こっている「おれ、川庄、38歳」。偶然、行方不明になったペット捜索に成功したことが評判になり、オカマの京子ちゃんからから、人探しの依頼を持ち込まれてしまいます。

それは、1年前に行方不明になった小学1年生の少女の捜索。警察の捜査も進展せず、プロの探偵による捜索でも何もわからない状況の中、ダメモトでの依頼でした。もちろん断るつもりでしたが、美人の母親の頼みを、つい引き受けてしまったのです。

コンビニのバイトの合間を縫って、仕事中の父親と会社で会ったところ、つい気になる点が出てきて・・その線を追ってみたら大当たり。という作品なのですが、ちょっと都合が良すぎますね。真犯人の正体は決して意外ではなく、むしろ「ありえる話」なのですが、そこが警察からも見落とされていたという点が、無理筋のように思えるのです。

シリーズ第3作まで発行されているとのことですが、内容はテレビドラマ程度でしょうか。もっとも、テンポの良さと、登場人物の多彩さも、テレビドラマのようですので、むしろ今では「褒め言葉」になってしまうのかもしれません。

2015/9