りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

可愛いベイビー(五十嵐貴久)

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年下の男の子ウエディング・ベルに続いて、シリーズを締めくくる第3弾です。

大手メーカーの宣伝部課長で38歳独身の晶子は、14歳年下で出入り業者の派遣社員の児島君と、結婚にこぎつけることができるのでしょうか。それぞれ似合いの年頃の相手を袖にして、「結婚を前提にした真面目な交際」を始めた2人でしたが、「両親の反対」という強敵は、まだ乗り越えることはできていません。でも一番の問題は、本人同志が本気で結婚に踏み切るつもりがあるかどうかなのでしょう。

そんな2人に相変わらず「試練」が襲いかかるのですが、実際には「後押し」でしたね。小島君のリストラは同棲に踏み切るきっかけになりましたし、晶子の身体に起こった「変調」は、決定的なものでした。2人は本気で、両親の説得に再挑戦するのですが・・。やはり両家とも、キーパーソンは女性だったのです。

第1巻の感想に「リアリティが感じられない」と書きましたが、現実世界は、私の想像範囲を遥かに凌駕してしまいました。そもそも著者が本書を書いたきっかけは「友人女性の実話」だったそうですし、磯野貴理子さんの例もありますからね。

晶子の仕事の成功や、児島君の再就職や、周囲の理解など、バリバリのハッピーエンドへと話は向かっていきますが、シリーズ最終巻でしょうからやむをえないでしょう。ところで、最初は「普通のOL」らしかった晶子さんが、どんどんキャリア・ウーマン的になっていったのは、「年長者の自覚」なのでしょうか?

2015/6