りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

王たちの道 1(ブランドン・サンダースン)

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多少SF寄りとはいえ、これはまたストレートな「ハイ・ファンタジー」です。ほとんどトールキンを思わせるほど。

全能神によって遣わされた10人の「光の騎士」によって守られてきた、石と風の世界ロシャル。しかし、「無をもたらすもの」との終わりなき戦いに心が折れた騎士たちは、人類を見捨てて去ってしまいました。

それから4500年。伝説の武器「破片剣と破片鎧」のみが遺された世界で、アレスカル国の国王ガヴィラルは、異種族が派遣した「白き暗殺者」によって暗殺されてしまいます。さらに5年後、破砕平原を挟んで異種族と対峙し続けるアレスカル国軍の間では、若き新国王と、10人の領国主たちの間がぎくしゃくし始めてきました・・。

主な語り手は4人。医師を志しながら奴隷に落ちた戦士カラディン、一族の没落を防ごうとする娘シャラン、予言を夢に見る貴族コーリン父子、ロボットのように命令を聞く暗殺者スゼス。

まだ物語が動き始めた感じはありません。なんと本書は、全10部構想の第1部(3分冊)の第1冊にすぎず、仮に各部3分冊とすると、1/30でしかないのです。本書はまだ、主観人物たちの視点から世界観を綴り始めたばかりなのでしょう。

男性は政治と軍事を司り、女性は学問を担う社会。目の色による支配階級と平民階級のカースト制度甲殻類を中心とする異形の生物。人口的な破砕平原。光が放つ不思議なエネルギー。破滅の予兆・・この世界が構築された背後には、さまざまな謎が潜んでいそうですが、先は長いなぁ。読み切るかどうかよりも、最後まで出版されるかどうかが問われることになりそうです。翻訳は「第1部で終了」の確率が高いと見ました。

2015/1