表現の自由をめぐって、メディア良化委員会と図書館が互いに武装勢力を有して抗争する『図書館戦争シリーズ』の本編は、第4巻の『図書館革命』をもって、完了しています。本書は、本質的にラブコメでもあった同シリーズで、最後の最後に恋人関係になった熱血新米隊員の笠原郁と熱血教官の堂上篤の「その後」です。
図書館から高価な本が紛失しているという事件、図書館に酔っ払いのおっさんが居座る事件、図書館にガス爆弾が仕掛けられる事件、図書館で隠れてしまう子どもの事件、そしてメディア良化法に引っかからない文章で差別的な文章を書く作家の著作が検閲に引っかかる事件。比較的軽い事件が起こっていくなかで、新米恋人同士の2人の関係が、本編よりもベタアマに進展していきます。
まぁ、このあたりは有川さんの得意とするところですね。相手の本当の気持ちがわからずに嫉妬してしまうことは、恋愛の醍醐味なのです。行き過ぎなければ・・ですが。
2014/7