りぼんの読書ノート

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三谷幸喜のありふれた生活11 新たなる希望

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2000年から朝日新聞に連載されているコラムも、もう第11作になりました。本書は2011年後半~2012年前半のエッセイです。

冒頭いきなり、離婚された奥様が家を出て行く場面から始まります。50歳近くなって、人生初の一人暮らしの開始です。2年後に再婚する相手とのおつきあいは、この時期まだ始まっていないのか、書かないつもりなのか、全く登場してきません

この時期の仕事は、なんといっても映画「ステキな金縛り」でしょうが、舞台ではゲッペルスを主人公にした「国民の映画」、ロンドン時代の夏目漱石を題材に取った「ベッジ・パードン」、チェーホフ原作の「桜の園」、また20年ぶりの小説となった『清須会議』の執筆なども始めています。三谷さんの指摘の通り、『桜の園』が本当に喜劇なのか、再読してみたくなりました。

古畑任三郎」シリーズで「刑事さん」との呼びかけを使わせなかったとか。今年は「つくつく」という言葉を使いまくったなどは、さすがに脚本家としてのこだわりですね。小泉今日子さん、野村萬斎さん、大泉洋さんなどとの交流も楽しそうですが、本書の中で一番納得したのはルンバをペットに思えてくるエピソード。一人暮らしの寂しさも感じられます。

2014/5