りぼんの読書ノート

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たぶんねこ(畠中恵)

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しゃばけシリーズも、第12作になります。シリアスなテーマに取り組んだ作品もありましたが、本書は「大江戸人情ミステリ」のスタイルに徹しています。珍しく寝込まなかった一太郎が病気にかからないための「5つの約束」が、いかに守られなかったかという趣向ですね。

「跡取り三人」:約束1「ゆっくり過ごすこと」の顛末は?
一太郎を含む大店の跡取り3人が巻き込まれた「お金を稼ぐ競走」の意味は何だったのでしょう。一太郎の推理は冴えますが、自力でお金を稼ぐのは難しいですね。

「こいさがし」:約束2「恋はお預け」の顛末は?
長崎屋に花嫁修業に来た料理も裁縫も出来ないダメ少女・於こんが、若旦那に求婚? 大貞親分が始めた仲人業に巻き込まれた一太郎ですが、こんなのは本人次第ですよね。河童の大親分・禰々子が久々に登場。

「くたびれ砂糖」:約束3「栄吉の心配をし過ぎない」の顛末は?
幼なじみの栄吉は、奉公先のご主人たちが寝込んでしまって、生意気な小僧たちの教育にてんてこ舞い。ところがお店の主人たちは誰かに何かを盛られた様子なのです。栄吉を案じた一太郎は捜査を始めます。生意気な小僧たちの非常識ぶりは、妖たちといい勝負です。

「みどりのたま」:約束4「妖を甘やかし、後始末のために外出をしない」の顛末は?
記憶を失った男が、江戸にいついた妖狐と自称する老人から懐かしがられます。老人は、かつて飛び出した「神の庭」に戻りたいというのですが・・。記憶喪失の男の正体は?

「たぶんねこ」:約束5「災難に巻き込まれない」の顛末は?
無事に「神の庭」に戻った妖狐と入れ替わって江戸に現れたのは、幽霊の月丸でした。人間だった時に何をやっても中途半端だったという幽霊は、自分の居場所を見つけることができるのでしょうか。もちろん若旦那はしっかり巻き込まれてしまいます。

2014/2