りぼんの読書ノート

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三谷幸喜のありふれた生活10 それでも地球は回ってる

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朝日新聞に連載されているエッセイも第10巻になりました。

この巻の対象となっているのは2010年4月から2011年5月までですから、仕事としては、人形劇「新・三銃士」が終わり、舞台は「ろくでなし啄木」や「国民の映画」が上演され、「ベッジ・パードン」が始まる直前。また、映画「素敵な金縛り」の撮影も開始されていたようです。私生活では衝撃的な離婚があり、それを受けて和田誠さんと大竹しのぶさんとの「結婚と離婚」についての対談を巻末に収録。

この時期に放映されていた大河ドラマ龍馬伝」について、平均視聴率はそんなに変わらないのに「新選組!」はバッシングされたことに憤慨し、この差は、勝ち組の坂本龍馬と負け組の近藤勇の差なのかと分析したりしています。

「ろくでなし啄木」の稽古中に藤原竜也さん、中村勘太郎さん、吹石一恵さんたちの若さに触れて、いつもの舞台仲間たちが自分と一緒に年を取っていたことに改めて気付いたり、石田ゆり子さんや深津絵里さんとのエピソードがあったりと、交流の和も広がっているようです。

この期間に東日本大震災があったことも忘れてはいけません。さすがにガラガラだった震災当日の舞台で、来場してくれたお客さんにちょっとでもお礼がしたいと自分も特別出演してみたり・・・

対談の中で、猫たちは小林さんが、犬のトビは三谷さんが引き取ったということが明らかになりました。本書の前半でも猫たちの話に何度も触れるなど、あんなに猫好きだったのに残念でしょうね。奥様の小林里美さんに対して「いつか彼女が主演の舞台を作るのが夢」などと感謝の念をあらわしてはいますが、やはり日常的なところですれ違いが起きてしまったんでしょうね。

2013/7