中学生となった朱里は、着実に実力をつけてきています。中3の秋の中部ブロック大会では上位に入って、全日本ジュニアへの出場を果たすことを目標としていました。しかし、試合中に無理なジャンプを試みた結果は転倒して骨折。全日本ジュニアどころか、数ヶ月もの間スケートの練習すらできなくなってしまうんですね。
でも、そういう時には気持ちを切り替えなくてはいけません。リハビリ期間に猛勉強して、名古屋のスポーツ強豪進学校に普通枠で合格を果たします。1学年上には全日本女子ジュニアチャンピオンのあかねや、同級生には男子チャンピオンの峰悠斗がいるほどの名門校ですが、彼女たちはスポーツ枠。新設されたスケート部に入った朱里は普通の高校生としてフィギュアの練習を再開するのですが、またしても問題発生。怪我の心理的影響でジャンプに恐怖感が・・。
高校のスケート部顧問を務める往年の名選手・朝倉先生のアドヴァイスで、普通の選手と反対の「時計回り」ジャンプの練習をはじめたものの、今度はそれが本来のコーチの明子先生との関係を微妙にするというのですから面倒なもの。師弟関係、級友との関係、スケートを離れた姉との関係、家庭の事情でスケートを止めることを余儀なくされる親友との関係など、思春期の少女としては難しいことばかり。そして中部ブロック大会を迎えるのですが・・。
解説が伊藤みどりさんというのも嬉しいですね。「走り高跳び的」なジャンプが主流の日本選手と比較して、世界ではスピードに乗った「走り幅跳び的」なジャンプが主流とも指摘されていました。確かに、伊藤みどりさんのジャンプは速くて高かったですよね。朱里が目指しているのも、その方向のようです。
2013/6