りぼんの読書ノート

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プロヴァンスの贈りもの(ピーター・メイル)

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南仏プロヴァンスの12か月ピーター・メイルさんによる小説ですが、ロンドンからプロヴァンスに移り住んだ著者の体験も多く含まれていますので、一連の名エッセイの雰囲気が味わえる作品になっています。

ロンドンの証券会社で干されて辞表を出したマックスの所に舞い込んできたのは、フランスからの遺産相続通知でした。南仏に住んでいた叔父が亡くなったのです。

叔父が遺してくれたのは広いぶどう園と古い屋敷。でも、残念ながらその農園から作られたワインは低級品で不味いんです。相続と売却を済ませたらすぐにロンドンに戻るつもりだったマックスでしたが、プロヴァンスでは簡単にはことは運びません。フランスでの手続きの面倒さは『12か月』を読むとわかりますよね。

レストランを切り盛りする女主人ファニーや、公証人ナタリーという独身美女に出合ったのはいいのですが、叔父の娘と名乗るアメリカ人女性クリスティも現れ、しかも小作人のルセットには何やら秘密があるようで・・。はたしてマックスの人生はどう変わっていくのでしょうか。

原題の「A Good Year」は、ワイン作りにおける当たり年という意味だそうですが、マックスの人生においても「当たり年」になったようです。人生には、恋とワインとおいしい食事が必要なんですね。それと休暇も。^^

この作品は、リドリー・スコット監督によって2006年に映画化されています。主演がラッセル・クロウといいますから、「グラディエイター」のコンビですね。旅行前に映画も見ようかな。

2012/5