りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

偉大なる、しゅららぼん(万城目学)

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京都、奈良、大阪と、関西を舞台にして不思議小説を書き続けている著者が次に選んだのは「琵琶湖」でした。「湖の民」として不思議な能力を受け継ぐ日出一族の涼介は、高校入学を機に湖東・石走城にある本家で修行をすることになったのですが、本家の跡継ぎで同級生の淡十郎に振り回されたり、日出一族と長年ライバル関係にある棗家の広海に敵対されたりして、散々な毎日をおくるのですが、彼らの前に恐るべき「敵」が現れます。

かつての岩走城の城主であり、両家を恨んでいる速瀬家の末裔が校長となって赴任してきたのです。「人を操る力」を持つ日出一族も、「時を操る力」を持つ棗一族も校長の前には歯が立たず、両家の当主は金縛り状態に。

ついに登場した淡十郎の姉で日出家最強の「龍と会話する女」グレート清子は、果たして校長を打ち破ることができるのでしょうか。そして「敵」の正体は?

両家の事情を詳しく知らない涼介は、結論だけ言う棗広海の言葉を理解できず困惑するばかりなのですが、それは読者も同じこと。「マキメ・ワールド」に入り込めさえすれば、楽しめる作品となっています。ラストも意外と爽やかですし。^^ それにしても、琵琶湖の不思議な力が「ゲップとオナラ」って・・。

2012/2