りぼんの読書ノート

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鬼平犯科帳 3(池波正太郎)

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長谷川平蔵はずっと火付盗賊改の長官職に就いていたのではなく、間の期間もあったようです。この巻では、休職期間に父の墓がある京都に旅をした平蔵の活躍が描かれます。お供についた木村忠吾の「いじられキャラ」ぶりが楽しい!

「麻布ねずみ坂」平蔵は、前巻で盗賊の体調を快方に導いた名医の指圧を受けていますが、医者の家から出てきた怪しい浪人が盗賊の所に入っていく姿が目撃されてしまいます。もしや怪しい者が火盗改の長官宅に出入りしているのでは?

「盗法秘伝」一時的に火盗改の長官職を解任された平蔵は、木村忠吾を連れて父親の墓参りに京都へ向かいます。途中で平蔵に惚れ込んだ老盗賊が、盗みの秘伝を平蔵に教えたいと言うのですが・・。

「艶婦の毒」平蔵が京に着くと、先乗りしていた木村忠吾はすでに年増の女にのめりこんでいました。実はこの女。過去に平蔵と浅からぬ因縁があり盗賊の一味だったのです。「うさぎ」の女運が悪すぎるのか、節操がなさすぎるのか・・。

「兇剣」京都見物の折に暴漢から助けた女は、大阪の香具師の総元締めの秘密を知って追われていました。一味は平蔵もろとも女を殺害しようと、凄腕の刺客を送るのですが、平蔵を救ったのは、後を追ってきた剣友の岸井左馬之助でした。

「駿州・宇津谷峠」至急江戸に戻るよう命を受けた平蔵は、街道をのんびりと下っていきます。途中で平蔵と別れた岸井左馬之助は同郷の男に出会いますが、その男は実は盗賊の一味になっていたのです。

「むかしの男」平蔵の不在中、妻の久栄に届いた手紙は、かつて彼女を棄てて身を持ち崩した元旗本の男からのものでした。男からの脅しなど怖くもない久栄でしたが、屋敷に戻ると養女のお順がさらわれて・・。平蔵と久栄の過去と、現在の深い信頼関係がわかる作品です。

このシリーズ、面白いのですが、かなり長いんですよね。どこまで読めばいいのか・・悩ましい。^^;

2012/1