「水戸黄門」は終了し、大河はトレンディ風になるなど、時代劇冬の時代ですが、中村吉右衛門が火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を演じたこのドラマは、とっても高い水準だったように思います。数本見ただけなんですが、「急ぎ働き」なんて言葉が高校でも流行りました。とりあえず第１巻だけ、手にとってみました。
「唖の十蔵」盗賊の夫を殺害した身重の薄幸の女に惚れてしまった無口な同心が、盗賊にゆすられて悩み苦しみます。新たに長官となった長谷川平蔵はどのように決着をつけるのでしょう。盗賊の一味だった「小房の粂八」も登場します。
「本所・桜屋敷」前篇で逃した梅吉をみかけたとの密告を受けて、本所近辺の市中見回りを行う平蔵は、青春時代に憧れた女性とほろ苦い再会を果たします。平蔵の剣友・岸井左馬之助と若かりし頃の取り巻き・相模の彦十が登場。
「血頭の丹兵衛」密偵となった粂八の大恩人で「正統派」盗賊の丹兵衛を名乗る凶行が相次ぎます。偽物であって欲しいと願う粂八が出会った盗賊とは・・。
「浅草・御厩河岸」佐嶋与力が信頼する密偵の豆岩に、尊敬する大盗賊から誘いが掛かります。佐嶋への義理と盗人への未練に揺れ動く豆岩の決断は？
「老盗の夢」京都に隠居したかつての大盗賊・蓑火の喜之助は、茶汲女に溺れて最後のおつとめを決意するのですが、江戸では盗人の仁義はすたれていました。裏切りに合った老盗は、自分ひとりで死に際を飾ります。
「暗剣白梅香」平蔵を狙う刺客は、親の敵と出会えぬまま身を持ち崩した男。ついに平蔵に斬りかかろうとした瞬間、男に巡ってきたのは皮肉な運命でした。
「座頭と猿」大盗賊・蛇（くちなわ）の平十郎の一味の座頭の情婦が作った情夫の徳太郎もまた盗賊でした。互いに殺意を抱いた２人でしたが、全てが終わった後では、女にとってはもう過去の一事・・。
「むかしの女」老残を晒す女性は、無頼者だった頃の平蔵を世話していた娼婦。今は立派になった昔の男たちを強請る味を覚えた老婆でしたが、無頼浪人たちに眼をつけられて犠牲なってしまいます。平蔵の胸に去来するものは・・。
2011/11
