りぼんの読書ノート

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奈良町夏物語~灯火滑走路(奥山鳴)

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奈良で宿泊したホテルにこの本が置いてあって、「大和路ロマン文庫」という小冊子のシリーズがあることをはじめて知りました。2009年7月から奈良で毎月発刊を続けている、四季折々の奈良の風物と、古刹や町並みを舞台にした短編小説シリーズであり、ならまち各所で無料で配本しているとのこと。

どれも現代の物語でありながら、あちこちに古代の息吹が残る大和路のこと、歴史との関わりを感じながらの物語になっているようです。本書も伝統的な燈花会を背景にして、フリーの写真家と奈良で力強く生きる女性が出会って心を通わす物語。10分で読めちゃいます。

燈花会とは、奈良の各地でろうそくの火を灯す幻想的な夏のイベントですが、ここでは特に、猿沢の池から興福寺に登っていく52段の階段に竹筒を置いて、ろうそくを灯す様子が、まるで未来に向かって飛び立つための滑走路のように見えるといいます。見たいなぁ・・。

ところで古都・奈良でお店を開いている女性たちは皆、どこかキリッとして「いい女」ばかりだったように思えました。歴史を背負っているせいでしょうか?

2011/10