りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

MM9 invasion(山本弘)

イメージ 1

地震や台風などの自然災害と同様に「怪獣災害」が存在する現代。有数の「怪獣大国」である日本では、気象庁内に設置された「特異生物対策部」、通称「気特対!」が昼夜を問わず活動しているという前作MM9の続編です。

7年前に出現した少女型怪獣「ヒメ」は、モンスター・マグニチュード9クラスのクトウリュウと闘って倒した後、眠りについていましたが、ヘリで移送される際に突如飛来した宇宙怪獣と接触して墜落してしまいます。

ヒメの意識に同調して目覚めさせ怪獣を倒したのは、遥かな星雲から地球のために派遣されてきた恒点観測員のジェミー。ウルトラセブンみたいですよね~。美少女姿の「ヒメ=ジェミー」は、ジェミーのテレパシーと同調能力を持っている高校生・案野一騎とともに、次に怪獣が現われると予測されたスカイツリーへと向かうのですが・・。

昭和の香り漂うウルトラシリーズのパロディですが、ウルトラヒーローではなく、少々ズレた美少女が怪獣と闘うというのが、読者の「萌え心」をくすぐりそうです。「宇宙から来た美少女」というとラムちゃんとカブリますけど。^^

「我思う。故に物理法則に支配されたビッグバン宇宙あり」の世界と、「怪獣あり。故に物理法則と矛盾する神話宇宙あり」の世界が並存していることを、本書では「多重人間原理」と呼んでいますが、思いっきり開き直っていますね。^^

「神話宇宙観」が消滅すると、怪獣も妖怪も存在できなくなるとのこと。自らの存亡を賭けて、宇宙怪獣を操る極悪宇宙人と結託した妖怪テロリストたちと、「ヒメ=ジェミー」と「気特対」と高校生・一騎の対決は、次巻も続くとのことで楽しみです。

しかし、気がかりなことがあるのです。2011年2月までに書かれた本書は、2012年3月から始まる物語との設定になっているのですが、2011年3月に起きた大災害を、この世界でどのように位置づけるのでしょう。間違いなく「MM9」クラスの「怪獣災害」なのですが・・。

2011/10