りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

リトル・アースクウェイク(ジェニファー・ウェイナー)

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正反対の姉妹の愛憎が祖母との関係を通じてほぐれていく様子を描いた秀作、イン・ハー・シューズの著者による「妊婦版Sex and the City

舞台はフィラデルフィア。ヨガ教室で出会い、結婚、妊娠、出産、子育ての悩みをぶつけ合う友人同士と
なった3人の妊婦が、事故で幼い息子を失い故郷に戻ってきた女性と出会って、それぞれが自分の生き方に目覚めていく物語。

友人とレストランを経営しているベッキーの夫は超マザコンユダヤ人医者で、育児を巡ってぶっ飛んだ義母にきりきり舞いさせられてばかり。プロバスケットボールのスターと結婚した混血女性アインデは、息子の心臓に異常があると告げられたときに、夫の浮気が発覚して悲嘆にくれてしまいます。努力を重ねて貧しい暮らしから抜け出したケリーは、夫が失業してダメ人間になってしまい、将来に不安を抱かざるをえません。

この3人と偶然出会ったリサは、息子を失ってから夫と暮らすことが辛くなり、ずっと嫌っていた母のもとに戻ってきた元ハリウッド女優です。

なんか、TVドラマか映画を意識したようなキャラ設定ですね。でも、母親たちの育児や家庭や仕事の悩みは、時代や国境を超えて共通です。悩みを解決するためには、半分は積極的な意志の問題、半分は踏み出す勇気が必要というあたりも、たぶん世界共通なのでしょう。

子どもに何か起こったかもしれないと思うだけで、大地が揺れる気がするとのタイトルは、地震の少ないアメリカ東部でだけ通用するものかもしれませんが・・。

2011/10