りぼんの読書ノート

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アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う(ゲイル・キャリガー)

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人狼や吸血鬼などの異界族と共存して繁栄を極めている19世紀イギリスを舞台に繰り広げられる「英国パラソル奇譚」の第2弾。

主人公のアレクシア嬢はロンドンにひとりしかいない「反異界族」であり、異界族をワンタッチで人間に戻してしまう力を持つ存在なのですが、前作のラストで、異界管理局捜査官である人狼のマコン伯爵と結ばれました。しかも、ヴィクトリア女王の影のブレーンである吸血鬼の「宰相」と人狼の「将軍」の間を取り持つ「議長」職を務めることになってしまいます。

そのロンドンで、人狼や吸血鬼が突然人間に戻り、ゴーストが消滅するなどの不思議な現象が起こります。しかもその影響が起きる地域は北上している模様。原因は果たして科学兵器か、疫病か、あるいは反異界族の陰謀なのか。新たな情報を入手したアレクシアは飛行船で、スコットランドに極秘の調査に向かった夫のマコン卿を追うのですが・・。

恐ろしい帽子の趣味を持つ親友のアイヴィ嬢や、はぐれ吸血鬼アケルダマ卿など前作からのメンバーに加えて、男装のフランス人女性で技術に詳しいルフィや、マコン卿の部下のチャニング少佐、マコン卿が人間だった時の子孫で曾々孫のシドヒーグらも登場。物語に花を添えます。

このシリーズ、5作まであるそうです。本書の事件は解決したにもかかわらず、別の重大事態が発生。アレクシアが懐妊したのですが、人狼は子孫を残せないのです。身に覚えがなく潔白なアレクシアを疑ったマコン卿は、妻を見捨てて・・。「次巻を待て!」状態なんですが、ちゃんと最終巻まで翻訳されるんでしょうね。^^;

2011/10