りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2011/8 蛙鳴(莫言)

大震災以降、皆様のブログを訪問できていませんでしたが、そろそろ再開させていただきます。気がつけばあれからもう半年近くたっています。きっとたくさん記事がアップされているんでしょうね。それを全部読み切れるでしょうか。コメントは一部しかつけられないでしょうが、ご容赦ください。

直接関係ないけど、我が家のトイレもようやく治って普通に使えるようになりましたし・・。(ずっと仮設配管で紙を流せなかったのです)

一人っ子政策」を強制される中国の農村と、ファンタジーの悪役に例えられる独裁者に統治されたドミニカには共通点がありますね。第三者には荒唐無稽と思えるような物語も、当事者にとっては「怖ろしい真実」でしかなくなるのです。

全11巻の『ダルタニャン物語』を読み始めました。『三銃士』として知られるはじめの2巻は有名ですけど、物語は30年後まで続くのですね。楽しみです。
1.蛙鳴(莫言)
「堕せば命と希望が消える。産めば世界が必ず飢える」。現代中国の根源的問題である「一人っ子政策」をテーマとした重厚な小説には、農村で「一人っ子政策」の地域責任者として避妊と堕胎の強制執行を繰り返した、産科医の伯母と、第2子を強く望んだ主人公夫婦の心情が深く描かれています。荒唐無稽なエピソードも、中国農村でならいかにもありそうに思えてきます。

2.オスカー・ワオの短く凄まじい人生(ジュノ・ディアス)
祖国ドミニカの呪縛を振り切ろうとした青年の人生を、スパニッシュや世界のオタク文化の言葉を散りばめながら、描いた作品です。太めでモテないオタクのオスカーは、「指輪物語」や「スターウォーズ」や「アキラ」の悪役に例えられる独裁者トルヒーヨの悪政の犠牲となった一族の歴史を断ち切れるのでしょうか。本書の日本語訳は、「おそらく世界で唯一の、全部が理解できる版」ですって。^^

3.食べて、祈って、恋をして(エリザベス・ギルバート)
20代半ばで作家デビューして処女短編集は文学賞を受賞。ステキな結婚もして「成功者」だったはずのエリザベスは、離婚によってボロボロになってしまいます。そんな彼女が、自分を泥沼から救い出すために決めたのは、1年間の海外生活。イタリアとインドとバリで4ヶ月ずつ暮らす「自分探しの旅」を、客観的な視点からユーモアを交えて語る体験記は「ノンフィクション」の力強さを持っています。



2011/8/31記