アフガニスタンで捕虜にした反政府軍の宗教指導者を護送中に撃墜された輸送機が不時着したのは、ブリザードが荒れ狂う高山地帯。反政府軍が迫り来る中で機長は、極秘情報を持つ捕虜の奪回を阻止すべく、空軍少佐の航空士バースンと、陸軍軍曹の女性通訳ゴールドに、徒歩での脱出を命じます。
それは、強力な敵と過酷な大自然に立ち向かうサバイバル戦の始まりでした。・・という物語なのですが、面白かったのはサバイバル技術がリアルな感覚で綴られた序盤だけ。
途中、友軍の特殊部隊と遭遇して難を逃れるのはまだしも、一度は奪回された聖職者をバースンが単独で再奪回に向かうあたりから、ハリウッド映画っぽくなっていきます。極秘情報の内容だって、その聖職者がアメリカへの核攻撃を正当化するファトワを出そうとしているということですし・・。
著者は元国家航空警備隊員で、アフガニスタンやイラクで空輸作戦に参加していたとのことです。だから、リアルな部分と、作り物めいた映画っぽい部分の両方があるんですね。まぁ、冒険戦闘小説がものすごく好きな人には・・という本でした。
2011/7