りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

真夜中のマーチ(奥田英朗)

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しがないパーティー屋からのし上がろうとする起業家の「ヨコケン」こと横山健司。驚異的な集中力を持つゆえに、仕事のできないダメ社員「ミタゾウ」こと三田総一郎。一生遊んで暮らしたいと願う、あこぎな成金美術商の娘「クロチェ」こと黒川千恵。行きずりで組むことになった個性的でアンバランスな3人が、やくざや中国マフィアを向こうに回して、クロチェの父親が美術品詐欺で集めた10億円の強奪を狙います。

テンポのいいクライム・ノヴェルなんですけど、それほど「痛快」ではありません。一番の理由は、強奪計画があまりにも素人っぽくて都合よすぎる点でしょうか。サウス・バウンドほどには楽しめませんでした。

三田物産の社員で、三田財閥の御曹司と間違えられるを得意にしている「ミタゾウ」のキャラは良かったんですけどね。「ヨコケン」のキャラは並。「クロチェ」は「峰不二子」と比べると迫力も魅力も不足です。

2011/6