りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2005/4 前田建設ファンタジー営業部

今月の1位は、小説じゃないけれど、立派なフィクション。大真面目に、アニメの建造物を作るための科学的検討や、見積もりを取るという発想が素晴らしい! 第2回のプロジェクトは、「銀河鉄道999の発射台」だそうです。^^
1.前田建設ファンタジー営業部 (前田建設)
小説じゃないけど、立派なフィクション。公共工事はジリ貧、民間工事はコスト割れという不況の中で、
毎回、巨大建築物が破壊され復興が必要な「夢の市場」があった!  第1回のプロジェクトは、なんと「マジンガーZの地下格納庫」。おふざけじゃなくって、真剣に取り組んでいるのです。

2.空中庭園 (角田光代)
郊外のダンチで暮らす普通の一家。両親と高校生の娘と中学生の弟。「家族の間では何事も隠さない」という、気持ちの悪い家族。ところが・・「ダンチのドアの鍵は内側に向けてかかっている」のです。「何も隠さない」なんて建前を言うから、秘密がおぞましく見えてくる。家族関係って逃げられないものだから、「互いに知らなくていい秘密がある」ことを前提に成立していると思うのですが。

3.ダンテ・クラブ (マシュー・バール)
19世紀に出版されるまで、アメリカではダンテは無名だったそうです。あまりにもカトリック的な内容が、新教徒たちから嫌われたかららしい。「神曲」の米訳を執筆中のボストン文壇の重鎮たちが集う中で、「地獄編」に示された劫罰を模した連続猟奇殺人が発生! ダンテを異端視するハーバード保守派からも敵視される中、ダンテを悪評から守ろうと、実在の教授たちが立ち上がります。



2005/5/10