りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

今朝の春 - みをつくし料理帖4(高田郁)

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料理人・澪の成長を描く、シリーズ4作めも楽しく読ませていただきました。まだまだ「マンネリ化」は先のようです。

「花嫁御寮-ははきぎ飯」
大店・伊勢屋のわがままお嬢様の美緒に、大奥奉公の話が持ち上がり、澪は料理の先生役を頼まれてしまいます。「みお」の素性を探りにきた上品な老婦人の正体は・・。澪が憧れていた小松原様の素性が明らかになるのですが、澪は身分の差を思い知らされます。そんなことわかっていたはずなのに、ちょっぴり切ない気持ちになる澪でした。

「友待つ雪-里の白雪」
戯作者の清右衛門(後の馬琴です)が、吉原のあさひ太夫を題材に戯作を書くことに? 大阪で幼馴染みだった野江が、どうして吉原に売られるような境遇に陥ってしまったのか。その謎が少しずつ明らかになっていきます。

「寒紅-ひょっとこ温寿司」
つる家に手伝いに来てくれる長屋の隣人おりょうの旦那、伊左三に浮気の疑惑が? でも澪を取り巻く人たちは、皆いい人ですね。熱い寿司をふうふうしながら食べる様子が「ひょっとこ」の意味です。熱い寿司っておいしいのでしょうか?

「今朝の春-寒鰆の昆布締め」
師走に出される料理番付の大関の座を競って、ライバルの大店・登龍楼との料理対決? 澪がそんな勝負事に乗り気になるはずがないのですが・・その真相は? 水気が多すぎる冬の鰆を使って、澪が生み出す渾身の料理は、相変わらずおいしそうです。

例によって、巻末に料理のレシピが紹介されています。養殖の鯛を「昆布締め」にするのはよくやっていますので、あらためて挑戦できそうなのは「白雪」かなぁ。白身魚入りの湯豆腐に、荒おろしにした蕪をたっぷりとかけた料理です。澪はヒラメやタイを使ってましたが、普通にタラでもおいしいですよね。

2011/3