和製ファンタジーの大傑作『勾玉シリーズ』や『[http://blogs.yahoo.co.jp/wakiabc21/30381102.html 西の善き魔女』の著者が、子どもの頃からの読書体験を紹介しながら「ファンタジー論」を展開します。
ファンタジーの原型となることが多い「神話」は、「取り扱い注意」なんですね。たとえば、ケルト神話の色濃い『ふくろう模様の皿』はホラーよりも恐い内容を読みとることも可能であり、書き手の精神すら破壊しそうになったとのこと。荻原さんも『空色勾玉』を書く際には、古事記を直接のモチーフにするのは避けたそうです。
ユングの「思考」「感覚」「感情」 直感」の4タイプは、ファンタジーの分類にも通じていて、思考タイプの典型は『ソフィーの世界』や『モモ』であり、感覚タイプには『指輪物語』や『ナルニア』があるとのこと。ドイツ系は理論的であり、イギリス系は宗教的なんですね。
日本では「児童書=教育の一環」であったというのも頷けます。だから私は児童書が嫌いだったのか・・。また、ファンタジーが童話と区別されていなかったこともあり、長い作品はタブーとされていたようです。今でこそ、『ハリポタ』なんかもありますが・・。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品は、ストーリーの定石をわざとはずしているので「多くの印象鮮やかな場面にもかかわらず、物語の顛末を長く覚えていられない」には笑っちゃいました。私も『ハウルの動く城』の結末を忘れてる!(笑)
なぜか、8月から9月の暑い時期にファンタジーの長編を読みたくなるようです。去年は『西の善き魔女』を読みましたし、『ゲド戦記』や『西のはての年代記』を読んだのも8月でした。かなり前ですが『指輪物語』を読んだときも暑かった記憶があります。今年は読まなかったなぁ。今からでも『ナルニア』の再読でもしましょうか?
2010/9