りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

陰陽師~夜光杯ノ巻(夢枕獏)

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清明と博雅の名コンビが、あいかわらず、ゆるゆると酒をのみ、花を愛で、楽を奏で、月を見上げ、呪を語り、「ゆくか」「ゆこう」の決めゼリフとともに出かけていきます。「偉大なるマンネリ」とでもいうような、ゆったりとした時間の流れを感じられるシリーズですが、博雅が単なる「ワトソン役」にとどまっていないのがいいですね。

月琴姫:博雅が、異国の美女の姿の式神を創り出してしまった?

花占の女:前の持ち主が行方不明になった菊屋敷に訪れる怪異とは?

龍神祭:博雅の名笛「葉二」が消えた先は? 神泉苑の池が通じていた先は?

月突法師:雷が落ちた松の木を切り倒さないよう、屋敷の主人に頼む法師の正体は?

無呪:船岡山に祭られていた「混沌」を眠りから覚ましたのは誰?

蚓喰法師:伊勢神宮五十鈴川で拾った見事な鏡を愛でた者たちを襲った怪異とは?

食客下郎:大安寺の使いで能登から戻ってきた者にお供してきたのは誰?

魔鬼物小僧:深夜のお堂で教を読み続ける少年僧の正体は?

浄蔵恋始末:70才を超えた浄蔵和尚が40年前に契った少女は今どこに?

「夜光杯」とは、月の光を映してほの光る杯のこと。そういえばどの話にも、月を愛でながら酒を飲む場面がありました。^^

2010/7