りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

運命の書(ブラッド・メルツァー)

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アメリカ合衆国大統領専用車を狙った銃弾に当って次席補佐官は絶命。銃弾にビビッた瞬間を写真に撮られた大統領は再選に失敗。末端補佐官であったウェスは流れ弾に当って、顔と心に深い傷を負います。

8年後、元大統領の秘書というキャリアの行き詰まりの仕事をしているウェスの前に、死んだはずの元次席補佐官が姿を現します。彼の死は偽装されたものだったのか。それならば何故、こんな時期に姿を見せるのか。ウェスは、友人の弁護士ロゴや、元同僚のドレイドル、そして女性新聞記者リズベスと、事件の真相を追究し始めるのですが、それは彼を新たな窮地に追い込むものでした。折りしも、精神病院に幽閉されていた狙撃犯のニコは脱走に成功し・・。

ダン・ブラウンダ・ヴィンチ・コードと比較するような紹介がされていましたが、ジェファーソン大統領が用いた暗号や、フリーメイソンを変質的に憎む異常な殺人犯が登場するとの共通点はあるものの、全然違うジャンルの本ですね。本書で「謎の悪役」である「ザ・スリー」と名乗る三人組の背景が、小振りなんです。「ザ・スリー」が「ザ・フォー」となったという4人めの正体は意表を突いてくれますが、本書の興味は「それに尽きる」と言ってもいいほどかもしれません。

その後に書かれた(先に読みましたが)、「スーパーマン」の作者・ジェリー・シーゲルと「カインの武器」を結びつけた偽りの書は、よくできた作品だったのですが・・。

2010/6