りぼんの読書ノート

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「アエラ族」の憂鬱(桐山秀樹)

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朝日新聞が発行する週刊誌『AERA』は、女性のライフスタイルを扱う記事が多いことは知っていました。でも高学歴・高所得のキャリアウーマンの視点から書かれている記事が多い雰囲気があって、手に取りにくい雑誌ではありました。

本訴は、副題に『「バリキャリ」「女尊男卑」で女は幸せになったか』とあるように、「アエラ」で賛美されていた「高学歴・未婚のキャリアウーマン的生き方」を批判的に読み解いた本になっています。

著者は、「結婚せずに子どもを持たず、ブランドショッピングや海外旅行を楽しみ、職場ではバリバリのキャリアを目指す女性像」に対する賛美記事を読むたびに、「こんな女性が本当にいるのか、いたとしても、それは幸福なことなのか」と疑問を抱いてきたそうですが、不況期に入ってこんな生き方は不可能と悟った女性たちが、焦って「婚活」に向かっているとしています。

果たしてこの本はアエラ編集部批判なのか。それとも、アエラ的な生き方に踊らされた女性たちを揶揄する本なのか。私も「バリキャリ」とかいう言葉には抵抗があるので、著者の言い分もわからないではないのですが、「こんなことを言ってもなぁ」というのが感想です。

年代的に「アエラ族」とはバブル期を経験した「アラフォー世代」のことであり、現30代の超就職氷河期経験世代は「ロスト・ジェネレーション」として、別の価値観を持ち始めている・・とのことですが、そもそも「○○世代」という表現が、マーケッティング戦略の用語ですもんね。そんなふうに纏められることは、気持ちよくありません。

2009/12