りぼんの読書ノート

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西の善き魔女2 秘密の花園(荻原規子)

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第2巻は、いきなり「学園ドラマ」になってしまいます。伯爵によって、貴族の娘としてふるまうのに必要な教育を受けるために修道院附属学校に入学差させられたフィリエルですが、そこもまた、陰謀渦巻く世界でした。

女王後継者としてアデイルと対立している、姉のレアンドラが支配する「生徒会」から陰湿ないじめを受けるフィリエルでしたが、彼女にも味方ができはじめます。しかし、彼女を巡って怖ろしい事件も・・。「学校の授業」という形式で、この世界のことが徐々に語られてきますが、まだ表層的。この世界の「真実」がわかってくるのは、まだまだ先のようです。

ところで、この巻のタイトルは「秘密の花園」。これは女学校のことなのですが、もちろんバーネットの名作のタイトルそのまま。次の巻が「薔薇の名前」であり、その先には「闇の左手」とかあるし、そういえば第1巻のタイトルだって「小公女」を思わせるものでした。これは西洋文学へのオマージュになるのでしょうか。荻原さんのことですから、それ以上のものを期待してしまいますが。

2009/8