りぼんの読書ノート

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真理子の青春日記&レター (林真理子)

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昭和50年代の初めの頃。大学は卒業したけれど、就職できず小説も書けない。お金もないし、恋人もいない。自分の才能を信じる気持ちも薄れてくるし、恵まれた人を嫉妬して悪口だって書いてしまう。でも、夢だけはありました。林真理子さんが、「怒れる文学少女アルバイター」だった頃の日記と手紙です。

解説に林真理子文学の「原点」とありましたが、本当にその通りですね。林さんの本質は、大作家になった今でもほとんど変わってないように思えます。もちろん、テクニックは身につけたし、長編だって余裕でこなしているようだけど、彼女の作品の主人公は、いつも、彼女自身としか思えないんです。あるいは、せいぜいのところ、彼女自身が理解できるキャラの女性。

いえ、非難しているのではありません。ユーミン中島みゆきにも匹敵する「ぶれなさ」こそ、彼女のスタイルなんです。この時期の林さんをドラマ化した「しあわせ志願」では、なんと原田知世さんが林さんの役を演じたそうですが、それは可愛すぎますが・・^^;

ちょっと残念だったのは本を読む女の主人公だった、真理子さんのお母さんがほとんど登場しなかったこと。彼女の「その後」も知りたかったのですが。

2009/2