りぼんの読書ノート

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ハリーポッターと死の秘宝(J・K・ローリング)

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ついに全7巻を、遅ればせながら読了です。この超人気作品を年内に読めるとは思ってませんでした。はじめは「ちょっと不思議な学園もの」かとも思わせたシリーズでしたが、巻が進んで主人公たちが成長するに連れて著者の世界観も形をとりはじめ、ストーリーもシリアスになっていきました。

しかも「魔法使いと杖との関係」や、「スニッチの性質」や、「リドルの日記の意味」など、かなりはじめの段階から、この長いシリーズのエンディングまで見越していたかのような、巧みに張られた伏線の使い方はお見事としか言いようがありません。

この巻のタイトルである「死の秘宝」とは、魔法使いの間に「おとぎ話」として伝わっている「死」から譲り受けた3つの秘宝のことで、最強の杖、蘇りの石、透明マントを指しています。「透明マントなんて、ありふれた小道具としてはじめからあったのでは?」と思った方は、本書を読んで納得してください。ハリーがそれを持っていたこと自体に、意味があるのです。

では「死の秘宝」がハリーとヴォルデモートとの運命の対決で、どんな役割を果たすのか? それは、読んでからのお楽しみとしか言いようがありませんが、ある意味で決定的な役割を果たすものの、それが全ての鍵ではなかった・・とだけ、言っておきましょうか。

最後の戦いの舞台をホグワーツにして、ほとんど全ての重要人物を登場させてくれるあたり、ローリングさんは、「大団円」というにふさわしい幕切れを用意してくれました。映像的にもバッチリのはずなので、映画化も楽しみです。7巻が出版される前から噂になっていた「ある重要人物の死」については、
もちろんこんな所でネタバレを書くわけにはいきません。

「リング」や「ナルニア」や「ゲド」と並んで、長い間愛されるファンタジーの古典になりました。

2008/10