落語家の今昔亭三つ葉は、26歳の二つ目。普段の暮らしも着物で通し,喧嘩っ早くて女に疎いという、「坊ちゃん」のような性格。芸風も古典一筋で、小三文師匠の模倣に徹するといえば聞こえはいいけれど、自分の解釈を加えることもできず、まして新作なんてとんでもない。
そんなレトロな三つ葉のもとに「話しかたを教えて欲しい」と集まってきたメンバーは、ハンサムだけど吃音症の従兄弟の良に、美女だけど失恋して殻に閉じこもっている五月に、東京で大阪弁を貫いて苛められている小学生の村林に、口下手な元野球選手で解説者の仕事をうまくこなせない湯河原。
「弟子たち」に度胸をつけさせるために、せっかく覚えた落語のお披露目会を開くことにしたのはいいけれど、今度は、肝心の三つ葉自身が、スランプに落ち込んでしまいます。一門会で師匠の十八番を披露することが決まった途端、話すことの怖さを感じるようになってしまうんですね。
果たして、三つ葉はスランプを乗り越えることができるのでしょうか。お披露目会はうまくいって「弟子たち」もそれぞれの問題を乗り越えられるのでしょうか。そして、はじめからぎくしゃくしている三つ葉と五月の間に、恋は芽生えるのでしょうか。
2008/4