りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

クローディアの秘密(E・L・カニグズバーグ)

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新しい年は、煩悩を取り去って、児童文学の名作からスタートしましょう。レトロさんに教えてもらった本です。

退屈している少女クローディアは弟のジョージを誘って、家出を決行します。家を出て行く先は、なんとメトロポリタン美術館。昼間は小学生の団体に紛れ込み、閉館直前にトイレに隠れて守衛をやり過ごし、夜は美術品の間に眠ります。夜の噴水で水浴びだってしちゃう。^^

問題はお金です。食事をするたびに所持金は減っていくし、節約してたらお腹はペコペコ。でも、そんなことは言ってられない事件が起こるのです。それは、ミケランジェロ作と噂される天使像が搬入されてきたこと。専門家たちの間でも真贋が定まっていないのですが、天使像を移動した後のカーペットに、天使の足の裏に刻まれたイニシャルの跡が残っているのに気づいた2人は、館長あてに手紙を出して、そのことを知らせることにしました。果たして2人は天使像の秘密を解くことができたのでしょうか・・。

子供時代、ささやかな秘密が大切だったことを思い出しました。秘密の日記、秘密の宝物、秘密の隠れ家・・。秘密というものは、自分だけの世界をつくること。秘密を持つことが、自我の形成に繋がっていくのでしょう。この本を読んで、そんなみずみずしい感覚を思い出すことができました。それにしても、家出先がメトロポリタンで、秘密がミケランジェロとは、なんとうらやましい!

2008/1