「ワーキングガール・ウォーズ」の姉妹編という感じで宣伝されていますが、だいぶテイストは違います。あっちは、会社内の話は「背景部分」で、本題は休暇中の出来事なのに対し、こっちは会社生活そのものが主題。
森絵都さんの『永遠の出口』の感想で「思春期の思い出は普通でいい」と書きましたが、自立した社会人の物語で「普通」では物足りない。すでに自分の人生を生きている女性たちにとって、リアリズムに欠けた会社生活を抽象的に描かれたって白けちゃうだけなのです。
こんな内容です。非上場で同族だけど、そこそこ大手の出版社にコネ入社して、経理担当。可もなく不可もないOL生活を送っている寧々が、仕事や会社と自分の関わりについて、ちょっとだけ悩んで、ちょっとだけわかったような気になるんですね。それだって、結局は「会社の中の人間関係だけ」のお話なんですが・・。
2007/10