りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ねにもつタイプ(岸本佐知子)

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5月のBest 1に選んだ空中スキップ(ジュディ・バドニィッツ)の翻訳をされた、岸本さんのエッセイ集です。

どこに着地するのか想像もつかないほど跳ねまわり、いきなり世界が180度変わってしまうバドウィッツに負けず劣らず、岸本さんも相当に跳んでる方ですね。「よしなに」という言葉を見ると「与志那仁」との漢字が浮かんでしまい、そこから「与那国」→「与論」→「対馬」→「漢和奴国王」→「卑弥呼」→「魏志倭人伝」と、とめどもなく連想は続き、最後には「兵馬桶」まで頭に浮かんでしまうというのですから。さすが「翻訳をされる方の言語センス」と言いたい所ですが、ここまで自由自在に横道にそれてしまうと、翻訳作業は進まないのでは・・と、心配になってしまいます。^^;

新聞記事に「犯人はわけのわからないことを口走っている」とあると、犯人が何を言ったのか気になって仕方なくなり、それこそが「底なしにヤバイ本物の文学」ではないか、というあたり、岸本さんもヤバイかも。

ほかにも、「美人局」は「美人ばかりを集めた部署」であり、そんな所は地球防衛軍の秘密基地に違いなく、「爆発するおっぱい」である「爆乳」で怪獣退治にいそしんでいるなんて発想には、もう脱帽するしかありません。

『空中スキップ』の翻訳秘話まで登場します。「赤ん坊」の登場する短編がいくつかあるのですが、「赤ん坊」という文字から連想されるもの・・となると、もう怖くて書けない! 『空中スキップ』は共著かと思えてきました。

2007/7