梁山泊陥落から3年。青蓮寺による梁山泊の残党狩りが苛酷を極める中、生き残った同志たちは中国全土に散らばり潜伏しています。史進、呼延灼、張清はそれぞれ2千の兵を指揮して各地を転戦し、李俊の水軍は南に下って、太湖のほとりに拠点を構えています。顧大嫂、孫二娘、雇三娘の女傑たちは、やはり南部の楊州に拠点を作り、燕青と武松は、行方不明の楊令を探しに、女真の地へ向かいます。何よりも、戴宋と張横による陸海通信網が生きているのが力強い。
彼らは、新しい戦いの形を模索しているのです。今度決戦するとしたら、梁山泊方式ではありえないという予感に加え、新しいリーダーにふさわしい人物を求めているのです。
では、次の形はどうなるのでしょうか。北方さんはまだまだ構想を見せてはくれていませんが、今度は女真族による金の建国から、遼の滅亡、北宋の滅亡へと至る史実と大きく連動したストーリーになるような気がします。梁山泊残党の拠点が、南方に偏っていることは偶然ではないでしょう。
新しい人物も、続々登場していくのでしょう。とりあえず、花栄の遺児である生意気イケメン花飛麟とか、諜報活動が露見して惨殺された候健の息子の候真などが登場。ラストでチラッと登場した楊令の本格的な出番は、次巻以降ですね。
2007/6