りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

銀河ヒッチハイクガイド(ダグラス・アダムス)

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1979年にイギリスで出版された小説の新訳だそうです。30年近く前のSFというのに、決して古びていない、愉快な作品。

ある朝突然に、田舎暮らしの平凡なイギリス人・アーサーの家の前にブルドーザーが現れます。アーサーの家はバイパス建設のために取り壊されることになっていて、文句を言ってももう遅い。役所の計画を閲覧していなかったほうが悪いと、されちゃうんですね。

ところがその時、地球上空にも巨大なブルドーザーらしきものが現れます。銀河超空間高速道路建設のために、地球は取り壊されることになっていて、アルファ・ケンタウリの出張所に張り出してあった布告を見ていないのが悪いと、宇宙人に言われちゃうのです。

たまたま「銀河ヒッチハイクガイド」の現地調査員として正体を隠して地球に滞在していた宇宙人に連れられ、間一髪地球を脱出したアーサーは、たったひとりの人類の生き残りとして宇宙をさまようハメに・・。連れは、15年も地球に置き去りにされていた頼りにならない宇宙人。持ち物は、これまた頼りにならない「銀河ヒッチハイクガイド」一冊と、宇宙船を拾うときに振るタオル一本。

出会うのは、元犯罪者で元銀河大統領にして、現犯罪者のイカレタ男や、重度鬱病のアンドロイドや、かつてオーダーメイドの惑星製作で稼いでいたという銀河伝説の星で生き延びていた謎の老人・・。いや、もうひと組いました。アーサーがポケットに入れて連れ出した、2匹のハツカネズミ。実は、このハツカネズミこそが、地球誕生の秘密を握る黒幕だったとは!

はい、楽しい本でした。アイデアも展開も意表をついてくれるし、イギリス風の駄洒落も楽しい。謎の惑星を巡る2つの恒星「スーリアニスとラーム」は、「ソラリス」のスタニスワフ・レムの名前から拝借してるくらいのことはわかったけど、理解できずに、読み飛ばしちゃった部分もたくさんありそうです。

2007/6 帰着便にて