りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ナイチンゲールの沈黙(海堂尊)

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前作『チーム・バチスタの栄光』に続く、東城大学付属病院もの第2弾。

眼球に発生する癌である網膜芽腫(レティノブラストーマ)にかかってしまい、眼球を摘出されてしまう子供たちの運命に心を痛める看護師の小夜は、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫と出会い、歌の才能を花開かせます。それは聴衆の脳に直接働きかけることが出来る「奇跡の歌声」なのですが、小夜は、かたくなになった子供たちの心を開くことができるのでしょうか。その渦中に、患者の父親が殺され、院内捜査が開始されます。

前作に続いて「愚痴外来」の田口も、厚労省の「火喰い鳥」白鳥も登場するし、小児科の「眠り猫」こと猫田師長や、警察庁の「電子猟犬」加納警視正など新しいキャラも登場するけど、ポイントがボケちゃいました。ストーリー的には、殺人事件は不要。患者のメンタルサポート問題だけで、十分成り立つ内容だったのに・・。

何より、キャラ的に、白鳥と加納がかぶっちゃってます。お互いオフェンシブ・トーク(攻撃的話法)同士での対決はともかくとして、あの白鳥を学生時代にパシリにしていたというほどのキレが、加納にないのです。逆に、白鳥の冴えない過去が垣間見えてしまった分、白鳥の魅力の輝きが失せてしまった感じ。会話部分の軽妙さは健在ですので。次作に期待かな。

2007/5