りぼんの読書ノート

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ロマノフの血脈(スティーブ・ベリー)

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ロシアの民衆は、ロマノフ家の支配を望んでいるのでしょうか。荒廃した社会に秩序をもたらすべく帝政復帰を決めた近未来のロシアで、皇帝候補として粛清を生き延びたロマノフ家の末裔を探し出す物語。

ジェットコースターストーリーだけど、底が浅い。皇帝候補の身元調査を行っている、アメリカ人弁護士のロードが主人公。おいおい、ロシア皇帝を選ぶのに、アメリカ人を出すのかよっ!

ともあれロードは、出来レースだった皇帝選出に波紋を投げかけます。最も皇室に近いとされる者でも、遠縁の親戚程度だったはずなのに、全員銃殺されたはずの最後の皇帝、ニコライ2世の直系の子孫への
手がかりを掴んでしまうのですから。

ローズは、操り人形の皇帝を立てようと仕組んでいた秘密サークルから狙われることになります。その一方でロマノフが復活する日を待ち望んで数世代を生き延びてきた秘密結社や、かつて王室に寵愛されていた怪層ラスプーチンの予言などに助けられたりもするのです。

もそん、最後はバリバリのハッピーエンドです。シドニー・シェルダンに、ハリウッド映画のエッセンスをまぶしたような、どこかで聞いたことのあるようなお話ですし、薀蓄だって無理がある。まぁ、軽い読み物と思えばいいのでしょうが。

2007/4