りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

嫌な女を語る素敵な言葉(岩井志麻子)

イメージ 1

志麻子さん、最近ではバラエティなどにも時々出て、シモネタなんぞを豪放に言い放ってらっしゃいますが、「毒の強さ」がステキなキャラのアネゴです。ホラーは苦手ですが、彼女のキャラに釣られて『ぼっけぇきょうてぇ』と『岡山女』は読んでしまい、その夜トイレに行くのをビビリました(笑)。

さて、一見お洒落なエッセイ集のようなタイトルと装丁の本書。実は怖かった。どこまでが体験談で、どこからが創作なのでしょうか。そしてどこまでが自分のことなのでしょうか。ちょっと綺麗な女たち」の心の闇に潜む、嫉妬、苦悩、悪意、殺意・・・。

この場合、「ちょっと綺麗」がポイントです。子供の頃からチヤホヤされて、プライドは高く、上昇志向はあるものの、徹底的に気合入れるまでの根性はない。でも「その他おおぜい」に埋もれてしまうのは怖い。「あぁ~、こういう子いたなぁ」と懐かしささえ感じるタイプ。

・嫉妬をかって殺された美女に隠された秘密とは?
・同級生の美女たちとの競争心の行き着く先は?
・「目立つ子の子分役」だった、「おとなしい子」の悪意の行方は?
・過去を隠して「優雅な人妻」を演じる女性が過去を感じる時は?
・・・

いかにもありそうな話や、ごくごく普通の女心を描いて、その実すご~く怖い話になってるんですね。「恋愛ホラー」ともいうべきジャンルでしょうか。この本を読む女性は、自分はまだマトモと思って安心できるでしょう。男性は・・読んではいけません!

2005/5