りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

破蕾(冲方丁)

イメージ 1

与力の妻として旗本の屋敷を訪れたお咲を待ち受けていたのは、ある高貴な女性に言い渡された「市中引廻し」を身代わりで受けるという恐ろしい話でした。当初は羞恥に苛まれるお咲でしたが、徐々に精神の箍が外れていくのです。

一方で、お咲が身代わりとなった芳野には、おぞましい過去があったのです。高貴な血筋を引くものの不遇な妾の娘であった芳野が目指したものは何だったのか。彼女が唯一持ち合わせていた女の武器を用いて、周囲を狂わせながら昇った高みには何が待ち受けていたのでしょう。

なかなかのエロ本でした。全3章のタイトルからして、「咲乱れ引廻しの花道」、「香華灯明、地獄の道連れ」、「別式女、追腹始末」なのですから。

2019/6