りぼんの読書ノート

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紅霞後宮物語 第7幕(雪村花菜)

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ついに小玉の軍人皇后としての本格的な活躍が始まりました。鍛えられた軍を有する寛と、騎馬戦を得意とする康の2カ国を相手にして、小玉は勝機を伺います。しかし開戦を前にやってきた康の密使は、夫である皇帝・文林を倒して女帝となることを薦めるのです。

もちろん小玉は激怒。自軍の前で密使の首をはね、皇帝に忠誠を誓う檄文を読み上げ、その勢いで一気に康軍を撃破。さらにその間に進撃してきた寛軍を、自らが囮になって打ち破るのです。激怒のあまり我を忘れたように突撃したように見せることからして、作戦だったのですね。著者の戦闘場面の描写もなかなかのものです。都で檄文を見た文林が、これが「小玉からの初めての恋文と知って泣きたい気分になる」なんて、文林の性格も普通の人並みになってきているのかも。

一方で宮廷での陰謀も繰り返されています。小玉が立后する前は第一婦人であった、性格悪い司馬淑妃は自滅の道を歩むのですが、息子の鳳が歪んでいるのが今後の心配の種になってきそうです。登場人物が増えてきたので、うっかりすると誰が何だったのかわからなくなってしまいそう。次巻ころからは人物相関図を載せて欲しいものです。

2019/5