りぼんの読書ノート

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ダーク・エンジェル 戦闘前夜(マックス・アラン・コリンズ)

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日本では2002年から2003年にかけて放映されたTVドラマ「ダーク・エンジェル」は、主演女優のジェシカ・アルバのカッコよさが人気でしたが、第2シーズンの半ばから尻すぼみ状態となり、予定されていた続編も制作されずに終了していました。「核戦争後の2陣営の対立」という構図が9.11直後のアメリカで問題があったとも言われていますが、「X-MEN」とかぶっていたことも一因かもしれません。

人気ミステリ作家による小説版3部作はTVシリーズのノベライズではなく、第1シリーズ前のエピソードと、第2シリーズ以降の物語。まずは、遺伝子操作によって生み出された特殊能力を有するジェネティックのひとりであるマックスが、荒廃したシアトルに身を潜め、友人たちや運命の恋人と出会うまでの物語。

9歳の時に12人の仲間たちと共に政府の極秘研究施設マンティコアを脱走したマックスは、19歳になるまでの10年間をどのように過ごしていたのか。親友のオリジナル・シンディとはどのように出会ったのか。シアトルにたどり着いて、昼はバイク宅配会社の配達人として働きながら、夜は不正に略奪された美術品を盗み出す生活に至ったのか。TVシリーズの背景が次々と明かされていきます。嫌味な上司のノーマル、ジャーナリスト志望のスケッチー、ルームメイトの件ケンダルなど、懐かしいメンバーも次々と登場。

そしてマックスは、サイバージャーナリストの「アイズ・オンリー」ことローガンと出会うことになるのです。ローガンの掴んだ情報をもとに、以前の仲間たちを惨殺した巨悪組織との死闘に向かうマックスでしたが、その背景にはマックスらの仇敵がいたのです。彼こそが執拗に脱走者たちを追い続けている、研究組織責任者のライデッカー大佐で、シーズン1を通しての悪役ですね。さらにマックスはそこで、ともに施設を脱走した兄貴分のセスと出会うのですが・・。

ここではまだ「ジェネティックvs人間」という構図は希薄です。TVドラマでは、第2シーズンでいきなりミュータントたちが登場してきて驚きましたが、第1シーズンの背景にはこのような物語があったのですね。さあ、続編を読んでいきましょう。

2019/1