りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ロワール河畔古城めぐり(中村総一郎)

イメージ 1

写真家でもフランス文学翻訳者でもある著者は、フランス留学中に写真表現の魅力に目覚めたとのこと。ロワール河畔に広がる古城の魅力を、数多くの写真と文章で表現した作品です。

シュリー=シュル=ロワールからシャロンヌの間の300kmが、世界遺産に登録されているロワール渓谷。オルレアン、ブロワ、アンボワーズ、トゥール、アンジェなどの歴史上の重要な都市を流域に有し、ロワール川と支流に沿った地域には、300とも500ともいわれる古城が点在しています。

中世に築かれた堅牢な城塞や廃城も、ルネサンス期に築かれた壮大な居城や優美な城館も魅力的です。主な城だけでも東から順に、シュリー=シュル=ロワール、シャンボール、シュベルニー、ブロワ、ショーモン、アンボワーズ、クロ・リュセ、シュノンソー、アゼ=ル=リドー、ユッセ、シノン、ソーミュール、アンジェなど。百年戦争ユグノー戦争や王権交替などの歴史の中で、国王や王妃や廷臣や芸術家たちのエピソードが、それぞれの城に刻まれているのですね。南部の城塞都市ロシェや北部の古都ヴァンドームには、街全体としての魅力を感じます。

まだ先ですが、来年旅行に行く計画を立てています。数多く回ることが目的ではなく、どこかに長く滞在して、のんびりゆったりとロワール地方の雰囲気を味わってこようと思います。

2018/12