りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ザ・ギフト 聖夜の奇蹟の物語(セシリア・アハーン)

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出世のために仕事に猛進しているルーは、昇進のチャンスを目前にして、妻や子供と向き合う時間もとれません。とはいえ美人秘書との浮気願望もあったりして、問題は時間だけではありませんね。要するに自分勝手な男なのです。

そんなルーに、会社前の路上に座るホームレスのゲイブにコーヒーをプレゼントし、気まぐれからメッセンジャーの仕事を世話したことから、転機が訪れます。会社ではライバルの企みから窮地に陥り、放置していた父親の70歳誕生日パーティは大惨事となってしまいます。こんな時に「自分のクローンがいたらいいのに・・」。

なぜか神出鬼没で、知るはずもない情報に通じているゲイブは、ルーにあるプレゼントを贈ります。それは飲んだ者に時間限定で2つの身体を与える不思議な錠剤だったのですが、自分勝手なルーは、うまく使いこなせません。ようやく彼が人生においてかけがえのないものに気付いた時、最後の1錠を大切なことのために使うのですが・・。

現代の『クリスマス・キャロル』のような作品ですが、エンディングにはほろ苦さが漂います。人は、時間切れが迫らないと時間の大切さに気付かないものなのかもしれません。

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